海外ファッション・スタイル

日本と海外の前髪に対するスタンスの違い / フランス人みたいな前髪になる方法!

日本人と欧米では、前髪に対する愛着や考え方が全く違いますよね。結論から言うと、
  
日本=前髪はがんばって作るもの
欧米=前髪は手抜きして垂らしたお手軽スタイル

なのです!もちろん全員に当てはまるわけではないですが、一般論はこんな感じです。
 
本記事では、モデル・女優やSNSなどから具体例を出しながら、欧米人の前髪に対する考え方や、前髪派の海外セレブリティなどを紹介させていただきたいと思います。

   

そもそもなぜ欧米人には前髪がないのか

子どもは別として、欧米のほとんどの成人女性には前髪がありません。本当にない。
 
例えば、私はオーストラリアのブリスベンとメルボルンに計1年住んでいました。
 
ほんの局地的な例ですが、1年暮らして、毎日駅や街を歩いていろんな人を見た中で
 
オーストラリア人女性が前髪を垂らしていた人数:0人
 
です(子供と留学生を除いて)!誇張なしで本当に0人。ちなみに男性も前髪アリ0人。
 
あと、これは私が実際に行ってる東京の美容室の方に聞いた話ですが、その美容師さんが欧米人女性の髪をカットするときに「前髪はどうしますか?」と質問すると、たいてい「は?」という顔をされるそうです。
 
「前髪…?どうするって何が?」と言われたこともあるそうです笑。
それくらい前髪に無関心な人が多いということですね。
ではなぜ欧米人には前髪がないんでしょうか
 

子供っぽさの象徴だから

上で話した通り、欧米でも子供の前髪はよく見られます(そのかわいさは異常)。

そう、その「かわいい」というのが問題で、実は欧米の大人の女性は別に「かわいい」なんて思われたくないのです。
欧米の女性にとって最高の誉め言葉は依然「美しい」「セクシー」です。

「かわいい」にあたる英語、「cute」(キュート)という言葉、なんとなく大人の女性に対して使っちゃいけないようなニュアンスですよね?

この言葉は子供や動物に対して言うのが普通です。
いくつになっても「かわいい」といわれるのが嬉しい日本人女性とは、その言葉の意味の捉え方がまず違うようです。
 

悪い部分が目立ってしまう

自分の顔の悪い部分が目立ってしまったり、男性ウケを考えるとあまり前髪はよろしくないと考える女性も多いようです。
 
くせっ毛か、もしくは細い髪の毛。これはあまり前髪作りには向かないようです。
 
鼻が大きい。鼻が大きい人の場合、とくに厚く長い前髪は鼻を強調してしまいます。
欧米の方は、大きな鷲鼻の人もけっこういますしね。

・欧米では、おでこが狭い場合、前髪は似合わないと言われているようです。
⇒日本の美容室なら、前髪でおでこを隠すことを提案されることが多いかもしれませんね。
目の上くらいの長さで横に流すとか、前髪を生え際より上の方から持ってきて作るとか。

おでこが狭いから出す欧米と、おでこが狭いから隠す日本。面白い違いです。
 

隠す習慣がない・隠す必要がない

欧米の成人女性はみんな、おでこを出すものだというのが当たり前なので、自分のおでこや顔の輪郭に自信がないからといって、隠すという結論には至りにくい、というのがあると思います。
 

日本人女性が前髪を作る理由の一つに、「自信のない部分を隠したい」という思いがあるかもしれません。
額(おでこ)を見せる自信がないから前髪で隠す、横顔や頬骨のラインに自信がないから両サイドの髪を厚く垂らして隠す、といった心理もあるかもしれません。
 
もちろん、ただ純粋に自分の思う美しさやかわいさを求めてやっている人も多いと思いますが!

欧米の女性は、丸い曲線の綺麗なおでこをしていたり、小顔だったり顔が立体的だったりという人も多いので、髪で顔の輪郭を隠す必要がなく、むしろ見せたいという気持ちが強いのかもしれません。

 

 
 
 
 
 
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さらに言うと、おでこが綺麗じゃなくて顔が大きい欧米女性でも、
 
「なんで隠さなきゃいけないの?私が好きなヘアスタイルをするのは私の権利よ」
と、全く気にしない人も多そうですね…。
 
 

前髪は流行の一環だと思っている

これはアメリカのスレにあってちょっと信じられなかったんですが、アメリカ人(ほんの一部でしょうけど)は、「前髪アリ・ナシはその時の流行次第」と思っている人がいるようです。

だから、古い、新しい、時代遅れ、流行の先端、といった概念がある。前髪は、アジア人が持ち込んだ流行なんていう見方まであるようです。

 

You, テイラースウィフトっていうアメリカ人女性知ってる?

もちろん、女性の前髪が好きだという男性もいました。
ただ、やはりアメリカ人男性も大人の女性を好む傾向があるので、イコール前髪のある女性はちょっと、という思い込みが多いのかもしれません。

前髪を単に「キュート」と捉えるアメリカ人男性と、「かわいくて美しい、しかも伝統的な美も感じる」と捉える日本人男性の考え方の違いですね。

なんだかんだ言っても、時代問わず、日本女性の前髪の美しさは世界に誇れるものだと思います。
こんな記事を書いているから勘違いされてしまうかもしれませんが、日本女性は欧米みたいになる必要はないと思います!
 
では次は、欧米人女性の前髪に対する考え方についてです。
 
 

 

欧米人女性が前髪に魅力を感じる理由は大きく分けて2つ

 

前髪下ろしたスタイル自体に魅力を感じているから

前髪がないのが当たり前の欧米の成人女性でも、好きなスターやファッションアイコンが前髪を下ろしたスタイルをしていれば、それに憧れて前髪を作ったりすることもあります。

前髪もそこまで社会的に拒否されているわけではないということですね。

欧米人女性が前髪を好む理由はこんな感じです。
・前髪を厚めに作ると目線が目に行く。目を強調して見せたい場合
・手軽に大きくイメージチェンジできる
・おでこのニキビや肌荒れなどをメイクなしで隠せる
・顔の形によっては前髪があった方が良く見える場合がある

上記のように、特にこだわりがあるわけではないので、お手軽にイメージチェンジできる前髪ウィッグなんていうものがよく使われたりします。
日本では、前髪をウィッグに頼る人ってあんまりいないですよね。
 
欧米人が憧れる前髪大国といえば、やはりフランスでしょうか。
パリジェンヌには前髪を作った女優・ファッションアイコンが多くいます。

欧米の前髪大国ことフランス

伝説の女優ブリジット・バルドーに始まり

ジェーン・バーキン
(※イギリス人ですがフランスで活躍)

ジェーンの実の娘・ルー・ドワイヨン

 

007のヒロイン役となったことで世界的に有名な
ソフィー・マルソー

現代パリのファッションアイコン、ジャンヌ・ダマス

多くのアメリカ人やその他のヨーロッパ人が憧れる前髪っていうのは、こういう感じの前髪のようです。
なお日本人の前髪は…
 
詳しくは次章↓!キィー!
 
ちなみに、フランス人女性(パリジェンヌ)の、歳を取っても綺麗でかわいく、時代に流されないファッションについて書いた記事はこちら↓


 

前髪下ろすスタイルは手入れが楽で良いから(え!?)

欧米人女性が前髪を下ろすスタイルに魅力を感じる2つ目の理由が、
effortless(手入れが楽)だから」
だそうです。
え…?

日本の女性アイドルが聞いたら本気でキレそうなフレーズですが、多くの欧米人女性の前髪に対するスタンスはこの程度です。
 
欧米人女性にとっての前髪は、
「がんばって作るもの」では絶対にない
のです。

日本人からしたら、楽ってどういうこと?って感じですよね。私も最初、本当に意味が分かりませんでした。
 
まゆゆが何時間かけて前髪セットしてたか知ってんの?

ともあれ、欧米人が憧れる前髪は、
無造作で手入れが楽なやつ
ということでした。
そして、それにぴったり当てはまるのが、上で挙げたフランスのパリジェンヌたちの無造作バング(前髪)だったのです。

なので、Googleでは

How to get French Girl Fringe
(フランスの女の子みたいな前髪になる方法)

という検索ワードでかなりの数がヒットします。
 
では次は、この検索ワードでどんな記事が出てきたか見てみましょう
 
 


 

フランス人の女の子みたいな前髪になる方法

Googleで「How to get French Girl Fringe」と検索して一番に出てきたのがこの記事
「How I Turned My Regular Bangs Into Effortless French-Girl Bangs」

Effortless French-Girl Bangsとは、「手間いらずのフランス女子の前髪」という意味。
 
なんとも前髪を甘く見たタイトルですが、この記事の筆者(アメリカ人女性)は当然壁に当たります。
以下、この記事を訳しながら経緯を追っていきます。
 
 

実は前髪作りは難しいということに気づいた

上の記事の筆者・アメリカ人女性のケイトリンは、フランス人の女の子のような前髪を作ろうとして何度も失敗したそうです。

ちなみに、この記事の見出しがこちら。

これが前髪?横分けじゃないの?
というのが正直な感想なんですが、アメリカではおでこにちょっとでも髪がかかってたら前髪と言うようです。

「effortless and fresh(無造作で生き生きしてる)ように見えた前髪が、いざ自分でやってみると、10分もしたら顔に張り付くし、手で髪を整えたらサイドの髪の毛とごっちゃになって全然いうことを聞かなかった」

そして、セットの仕方自体が間違っていたと気づき、改めて挑戦します。
 
 

フランス流前髪スタイリングのカギは、乾かし方だった

ケイトリンは、ロサンゼルスのトップヘアスタイリスト・ リネットに前髪のスタイリングのコツを聞きに行きます。
それがこちら。

1.シャワーの後、髪にヒートプロテクション(髪を熱から守るスプレー)を少量つけ、ヘアブラシで平らにとかす。

2.ドライヤーで髪を乾かす。75%くらいまで乾かしていったん止める。いつも通りの乾かし方でよい。

3.前髪を真ん中で分ける。前髪以外は後ろにまとめてゆるく結んでおくとやりやすい。

4.ラウンドブラシで、前髪を顔の正面に向かって、真っすぐ前に引っ張り、その下からドライヤーを当てて乾かす。
左右の前髪どちらも行う。髪とドライヤーの距離は2~3㎝。

※ラウンドブラシはこういうタイプのヘアブラシですね

5.今度は逆に、前髪を真っすぐ後ろに向かって引っ張り(自分の真後ろに向かって)、同じように乾かす。
4と5を何度か繰り返し、ほぼ完全に乾くまで続ける。

6.ボリュームを出すため、再度前髪の真ん中から左右に向かって髪を流し、整える。

7.最後に前髪にヘアスプレーをする。髪から30㎝は離してスプレーする。

以上が手順です。けっこう手間がかかりますね!
ケイトリンさんがイメージする完成像がこちらとのこと。

 

 
 
 
 
 
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だからこれは前髪じゃないって…。と言いたいところですが、欧米ではこれが前(略)。

これが、「フランス人の女の子の前髪を作る方法」でした。

最後に、超上級編!
本物のパリジェンヌが実践する、男前すぎる髪のセットの仕方とは!?
 
 

現役最高峰パリジェンヌ、ジャンヌ・ダマスの男前すぎるヘアスタイリング

ここまで、通常のフランス人の前髪の作り方をお伝えしましたが、現代パリジェンヌの最高峰の一人、ジャンヌ・ダマス姐さんのヘアスタイリング方法はあまりにイケメンかつ上級者向けでした。
普通のパリジェンヌはここまでではないんじゃないかな…??

 

 
 
 
 
 
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そのスタイリング方法はというと、

1.シャワーの後は髪を乾かさない
2.ある程度自然に乾いたら髪をシニヨンにまとめる

シニヨンはこんな感じですね
 
3.出かける時間になったら髪をほどいて下ろす
終わり

これで、ラフで自然なウェーブが楽しめるのだそうです。

…カッコよすぎるやろ!
日本やったら男かてもっとちまちま髪いじってるで!

ジャンヌ姐さんは、口紅も指で塗るという男前なお方。
ジャンヌ姐さんは、私たちがフランス女性に抱くイメージ…。あふれる力強さ、少女のような悪戯な奔放さ、小悪魔的な魅力、といったものを兼ね備えた、ブリジットバルドーから連綿と続く、フランス女性の系譜に連なる素晴らしい女性だと思うのです。
(なんかここの文章だけ毛色が違うぞ!?すまねぇ、つい熱くなっちまって…)
 
 
 
海外の女性の「前髪に対する考え方」と、フランス流の前髪の作り方をお伝えしました。
 
ちなみに最後に…。
How to get French Girl Fringe(フランスの女の子みたいな前髪になる方法)でGoogle検索すると、前髪の作り方がたくさん出てくるのに、
How to get japanese Girl Fringe(日本の女の子みたいな前髪になる方法)
 
で検索すると、日本人女性の髪形が紹介されてるだけで、髪のセットの仕方は何ページ見ても全く出てこないよ!
 
…日本女性の髪形は複雑だから、「effortless」が基本の欧米女性は、かわいいとは思ってもマネしようとまでは思えないのでしょうか笑

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 
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